【開催報告】12月17日(水) 20:00-21:30 「アートで描く平和構築 ~平和とアートはどのようにつながりうるのか?~」(オンライン)
- 2025年12月31日
- 読了時間: 8分
2020年より始まった、市民間から対話を通じて平和を作る、東アジア平和大使プロジェクト。
今年は遂に、戦後80年。
東アジア平和大使プロジェクトは今年で6年目を迎えました。
私達はなぜ、「近くて、遠い」のか。その問いを軸に活動をこれまで展開し、
総計で439名の参画者数、51の場づくりを行うことが出来ました。
今年もこれまでと変わらずに東アジアの和解と共生をテーマにしながら、
世代、所属、思想を超え、明日の平和な東アジア地域を望む人々が集える場となるよう、
国内外での活動を実施していく年とします。
2025年度の第7回となる本会は平和×アート回。東アジア平和大使プロジェクトで初の試みとなるアートをテーマに開催しました。アーティストの中河星良さん、東アジア平和大使プロジェクトメンバー兼アーティストの小島久枝さんを招き、アートの観点から考える平和についてお話頂き、約3名の方にご参加いただきました。
当日告知のHPはこちらです。

🔸当日概要
■テーマ🎵
「アートで描く平和構築 ~平和とアートはどのようにつながりうるのか?~」
戦後80年を迎えるこの年、私たちは “アート” を入り口に、
平和について新たな角度から考える時間をつくります。
アートがひらくのは、分断を越えて出会い直す場。
そして、未来に向けて一人ひとりが小さな行動を始めるためのきっかけ。
またアート作品がもつ多様な解釈は、私たちが互いの視点を知るきっかけとなり、
分断を越えて「対話的な姿勢」を育む土壌にもなります。
今回のイベントでは、
“アート × 平和 ” の可能性をテーマに、ゲストの中河星良さんの創作活動や経験から、
表現を通じた平和構築の新しい道筋を探っていきます。
特別な専門性は必要ありません。
市民ひとりひとりが、自分の表現を通して過去と向き合い、
未来へ語り継ぐ主体になれるのではないか——
そんなアートの視点から平和について考える時間を、参加者の皆さんと一緒に創っていきます。
どんな立場の方も、そこに対話の意思がある限り、ご参加を歓迎します。
あなたの感性と視点を、この場に持ち寄ってください。
■日時🎵
12月17日(水)
20:00-21:30 (JST)
■開催形態 🎵
オンライン
イントロ・リソースパーソン紹介
個人ワーク
パネルディスカッション
対話・質疑応答
終わりに
■開催言語🎵
日本語
■企画🎵
主催:NPO法人Wake Up Japan
■費用🎵
なし/ギフトエコノミー制
■リソースパーソン🎵
①中河星良(なかがわせいら)
アーティスト

徳島県出身。
国際基督教大学にて博士1年目まで日本古典文学を専攻。
2015年 KADOKAWA雑誌「ハルタ」にて在学中に漫画家デビュー。以来5年間ハルタにて不定期連載。
2020年から5年半不動産業界で、営業・会社の立ち上げの人事として働きながら、絵の個展を定期的に行う。
2025年現在 絵描き一本で幅広く制作。
◎個展実績
2021年11月 「あったかいもの」@王子
2022年6月 「15 meters Re:real 」@自由が丘
2023年8月 「四季」@仁川
2023年10月 「巣ミ菓ノ果」@日本橋
②小島久枝(こじまひさえ)
東アジア平和大使プロジェクトメンバー

1998年、神奈川県横浜市出身。
メディアで取り上げられる切り取られた朝鮮半島の社会情勢やヘイトスピーチ問題に関心を抱き、横浜市立大学国際教養学部に進学。フィールドワーク、インタビューを通じて社会学の観点でヘイトスピーチ行為の要因や是正可能性に関する卒業論文を執筆。
就職後も東アジアに関するソーシャルアクションを行いたいという思いから、東アジア平和大使プロジェクトに2023年より参画。本プロジェクトにおいて発行した戦後80年市民談話においては、アート作品という形でメッセージを表現。
特技は絵で場の可視化・要約をするグラフィックレコーディング。
🔸アート作品の鑑賞と解説

対話に入る前に、今回はお二人の作品(久枝さん:円を描いた白黒の作品(タイトルなし)、星良さん:「光の珠」)を鑑賞し、参加者が感じたことをシェアした後に作者の意図を聞く形式をとりました。結果は以下となりました。
久枝さんの作品
参加者からは「大きなハートに見える」「卵胞のような生命力」「葛藤と希望」といった声が上がりました。
久枝さんは、丸=円満・平和としながらも、中がぐちゃぐちゃしている部分で「価値観の違い」や「世の中の流動性」を表現したと解説。「いつ戦争が起こるか分からない、人の違いがあることでわかり合えないこともある」一方で「違うからこそ対話を続け、違うことを認め合えれば、みんな同じ人間として繋がれる」という希望が込められていました。
星良さんの作品(光の珠)
「神秘的」「悲しげだが暗闇だからこそ光が目立つ」「そもそも女性なのか気になった」といった感想が寄せられました。
星良さんは、「光の珠がタイトルだが、抱えきれない腕で拾う人と添えていた」と語りました。「人は戦争だけは選択しないと思っていないと、戦争は起こってしまう。個々人が平和を諦めない、思い続けないと平和にならないのでは」という危機感と共に、こぼれ落ちてしまった大切なものを、諦めずに一つ一つ拾い集める姿勢を描いたと語りました。「裸」で描かれた人物は、権威や装飾のない、一人の人間としての姿を表しています。
🔸対話
参加者とアーティストの間で、自由な質疑応答と対話の時間についての深い対話が行われました。
その一部を概要として記載します。
「一つの絵を見て違う解釈が生まれることを、アーティストとしてどう捉えますか?」
皆さんから色々なコメントを貰って、嬉しいと同時に希望が見えた。自分が考えている以上の解釈を知ることができて、アートの持つ可能性を実感した。
自分の作品がまた新しい作品に見えてワクワクした。難しい理屈を考えるより、「心が動く」というのがアートの可能性の一つとしてあるんじゃないかと思った。
「人によって全く違う解釈があることは、平和や対話にどうつながるのでしょうか?」
社会生活を送る中で、全員の考えが一致することはないと思う。それは当たり前のことだが、「みんなが違う」ということがアートを通じてわかると、違うからこそ「他の人の意見を聞いてみよう」と、他者とつながる媒介になる気がする。それが対話のきっかけになるのではないか。
アートは好みが分かれるものだし、あくまで受け取り手次第。でも、描き手が本音や問いを、誰かの言葉じゃなくて自分の言葉(アート)で表現して、受け取り手がどう受け取るかは相手次第。その覚悟があれば、対話になりうると思う。
「平和という文脈において、「正解・不正解」はあるのでしょうか?」
「正解」「不正解」は時代、誰か見るかによって変わりうるので定義できないのではないか。正解・不正解という定義をつけてしまうと、そこに分断が生まれてしまう。例えば空爆の絵を見た時、戦争そのものは教訓にすべき「不正解」だが、戦った人たちにとっては勇気づけられる「正解」だったかもしれない。それより、「平和のために何が必要か?」「この絵で見えないものはなんだろう?」という視点で話すことが、私たちがしていかないといけないことだと感じる。
「不正解」はあると思う。どの時代でも人間には心があってそれぞれの人生を送るという生き物である以上、人為的に迫害や扇動をすることは不正解だと思う。 その代わり「正解」は時代によって変わると感じる。何を平和と感じるかは環境や時代に依存するので、この絵で平和とされていたものが、世界が目まぐるしく変わっていく中で次の世代では通じなくなることもある。だから正解は変わりうるのだと思う。
例えば、他国の慰安婦像のあり方一つをとっても、政治的に不正解と見る人もいれば、あっていいという正解もある。「正解か不正解か」を話し合うこと自体が大事なのではないか。一人のアーティストやメッセージを伝えたい人が形にして、そのうえで社会に投げかけていくことが、健全な社会な気がする。
「強い『伝えたいこと』がないと表現してはいけないのでしょうか? 自分に合った表現方法は見つかりますか?」
自分の場合は、頭の中にイメージがぱっと降ってくる瞬間があって、それを留めたい、見てもらいたいという衝動がある。でも、それは特別かというと分からない。美味しいご飯を食べて幸せな気持ちになるとか、心動く瞬間は誰にでもあると思う。それをSNSで発信するのも表現の一つ。絵を描くという手段は、やっている人が少ないから特別に見えているだけかもしれない。
伝えたいことの熱量でいうと、「畳の上で寝っ転がったら気持ちいいな」というくらいの軽い感覚で絵を描いている。人によって皆さん色々な方法によって感情を昇華していくと思う。もちろん、激しい怒りとか、これを伝えないと、という絵もあるが、基本は呼吸するように描くので。お風呂に入ったら気持ちいい、というのと同じで、行動の選択肢の一つに「絵を描く」がある感じ。
お二人からはご自身の価値観とアートの観点から平和を捉え直す大変貴重なお話を頂きました。
ありがとうございました。
今後も東アジア平和大使プロジェクトへの多くの方の参画をお待ちしています。
■情報🎵
東アジア平和大使プロジェクトの概要は以下をご覧ください。
※スケジュールやプログラム内容は若干変更する可能性がございます。
※今後のプロジェクト概要について案内をご希望する方は、イベント申し込みフォームよりお申し込みください。
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