【開催報告】9月26日(月)20:00-21:30 在日コリアンの過去、今、これから
2020年より始まった、市民間から対話を通じて平和を作る、東アジア平和大使プロジェクト。
プロジェクトの第4回目は、日本の中の韓国回、
先日開館したばかりのウトロ平和祈念館副館長、金さんをお迎えし開催しました。
今回は在日コリアンをテーマに、「在日コリアンの過去、今、これから」で開催しました。
詳細の報告は企画責任の長川のブログにて、ご参照ください。
以下は概要となります。
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開催概要
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■テーマ🎵
在日コリアンの過去、今、これから 関東大震災をめぐる朝鮮半島出身者への痛ましい事件があり、
また災害などが起こった際には朝鮮半島にルーツのある方々を貶める「デマ」も流布されます。
ウトロや桜本では、人種差別的な事件やSNSでの脅迫が今も行われている一方で、
国民の認知度と人々の反差別への連帯は十分とは言えません。
そこで、Wake Up Japanでは、在日コリアンの人々についての過去と現状の理解を高め、
社会としての連帯を強めることを目的に本企画を開催します。
■日時🎵
9月26日(月)
午後20:00-21:30 (JST)
■開催形態 🎵
オンライン
ゲストトーク(金さん)
インタラクティブセッション(金さん&Wake Up Japan)
■開催言語🎵
日本語
■費用🎵
ギフトエコノミー制度
NPO法人Wake Up Japanでは、おカネのあるなしによって、社会や個々人の人生を豊かにする手法へのアクセスが制限されてしまうことはおかしなことだと考えています。そのために、イベント開催に際して、必要経費以上の参加費は集めていません。一方で、イベント開催にはオンライン通話のための契約など費用も少なからずかかっています。経済的に可能な方はカンパをお願いいたします。また、経済的に余裕がない場合でも、メッセージでの感想の共有は主催者を元気づけますし、将来の「出世払い」の約束なども歓迎です。詳しくはイベント後にお知らせしますので、カンパが可能な方はお知らせください。
■定員🎵
約30名程度
■リソースパーソン(敬称略)🎵
金秀煥(きむすふぁん)
ウトロ平和祈念館副館長
1976年生まれ。コリアン三世。幼少期から朝鮮学校で学び、朝鮮大学校政治経済学部卒業。卒業後は民族団体に所属し、2010年からウトロ地区にある南山城同胞センターに勤務。ウトロ地区では住民の生活支援とウトロを訪れる人びとの案内などを務め、
現在はウトロ平和祈念館副館長。
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参加者の在日コリアンに対する認識
============== 途中の出入り・スピーカーを含め、14名にご参加いただきました。 冒頭、毎回行っている参加者の在日コリアンの認識について質問をズームのポール機能を使って実施しました。 1.「在日コリアン」について あなたは何を知っていますか?(複数選択あり、有効回答7)
当事者である:0
友人・知人がいる:5
直面する問題や歴史的背景など、とてもよく知っている:0
ニュースなどで耳にする程度であまり知らない:3
ほとんど何も知らない:0
============== 金さんのお話 ============== 金さんには、簡単な自己紹介をして頂き、在日コリアンについて一般的な部分から、現状の課題、そしてウトロ平和祈念館についてお話ししていただきました。
以下、お話しされた概要です。
12年前から同胞生活センターに勤務。自身も在日コリアン三世。
(在日コリアンの方々のアイデンティティが今日多様になっているという前提があり)在日コリアンとは何か?という定義もしっかりとは定まっていない
ウトロ地区の成り立ちは飛行場の建設。集まった労働者にはそこで働かざるを得ない社会構造があった。一番多いときは約1300人の労働者がおり、強制労働ではなかったが、自由意志でもなかった。
2008年のウトロにおける生活保護率は約20%。
在日コリアンの課題:選挙権、民族教育権、永住資格、ヘイトスピーチ、レイシャルハラスメント。
例えば、課題として住居は国籍を理由に断ってはいけないが、最終決定権は大家さんにある。
在日コリアンについての問題が全く知られていない。知られていないということは存在していないという気持ちになる。戦後70以上たつのにも関わらず放置されている。
2021年に放火事件があった。当時22歳の犯行。(犯人の動機に触れ)差別は置き換え可能というのが怖い。ウトロが素材だったというだけで、在日コリアンというコミュニティ全体がターゲットになりえる。判決文で差別という言葉が出てこなかったのは残念。差別に対して向き合わない法律の視線。ただ、完全に向き合っていないというのではないと個人的に感じている。
ウトロ平和祈念館は、日韓共通の価値観である人権と平和を共有できる学びの場になってほしいという願いを込め、設立。韓国政府が2億円を支援金として支出しているが、運営費は支援していない。
運営主体は市民の民間団体、9月26日時点での来場者数は約5800名。人件費はなく、職員は金さん含めすべてボランティア。現在約600名のサポーター、約100名のボランティアがいる。
============== 参加者との対話 ============== その後、主企画者からの質問も含め、金さんとの対話を行いました。
詳細は省き、概要を以下記載します。 一般的にスピーカーへの質問の場合は単純に(質問)と表記し、双方向で大勢を巻き込んで行われたものについてはそれがわかるように記載しています。
(参加者の質問)なぜ仕事でご自身が所属する在日というコミュニティを選ばれたのか?
(回答)成績が悪かった。社会に出るのも怖かった。でも、人のためになることをすれば、自分にもできると思った。
(参加者の質問)現在まで平和祈念館に嫌がらせはあるのか?
(回答)想像していたよりない。問い合わせが何百件とある中で、3件とかのみ。ただ事後、そういう文脈の感想文を後に送ってきた方はいた。あとはN国党の方が街宣車で色々おっしゃられたりとか。
(参加者の質問)これから平和祈念館でやっていきたいことはあるか?
(回答)日本の公立の学校にも平和祈念館に来てほしい。まだ1件もない。壁があるのだろう。
(参加者の質問)祈念館に団体で来る人とボランティアで来る人はどういうところから来ているのか?また、個人としてボランティアであれば何ができるか?
(回答)団体は色々。大学のゼミ生が多い。教員研修や、行政が行っている市民研修、企業研修もある。ボランティアは現地に来てもらって活動している。
(参加者の質問)何がそこまで金さんを突き動かすのか?
(回答)自分の不甲斐なさに悩むくらいなので、深く考えたことはあまりなかった。人の役に立てたとき、「ああ、生きているな」と。自分の子供にも、アボジ(韓国語でお父さん)は頑張ったいいたい。社会の中でもどかしさはある。
(参加者のコメント&質問)大阪にあるコリアンセンターで似たような話を聞き、今日を楽しみにしていた。在日コリアンの多様化という観点をもう少し知りたい。
(回答)以前は、在日コリアンか、日本人か、という議論がよくあった。でも今は、国籍は日本だけどアイデンティティは守る人、自分はコリア系日本人だという人、というように、2つを使い分けたり、共存させたり、職業も多様に活躍していたり。一括りにはできない、そんな時代だと思っている。在日コリアンの多様化というところは進んでいるが、一方で、社会の多様化は進んでいないと感じている。
(参加者の質問)通名を使用するか、しないかでプレッシャーはあるのか?
(回答)個人としては幼少期、金さん、と呼ばれるのが嫌だった。比較的使いやすくなったのはというのはあるが、依然として使いづらい。特に企業の中は、個人事業主と比べてそうだと思う。最近は通名を、民族名、という言い方もする。
(参加者の質問)ウトロ地区にいる多様な方々で、平和祈念館の在り方についてもめたことはあるのか?
(回答)ウトロ地区の住民の方々はフリーハンド。思うようにやってくれ、と言ってくれた。これができること自体が嬉しいと。焼肉広場はつくってほしいといわれた笑
============== おすすめ/参考リソース ============== 今回、金さんには以下をおすすめとして事後共有いただきました。
============== 次回について ==============
次回は、今月の下旬に日中、或いは東アジア全般の文脈でオンラインイベントを一回予定しています。
その後、11月も日中の市民間からの取り組みを軸に、登壇者は決定、日時を調整中です。
多く方のご参加をお待ちしています。
■東アジア平和大使プロジェクトとは?🎵
東アジア平和大使プロジェクトの概要は以下をご覧ください。
※スケジュールやプログラム内容は若干変更する可能性がございます。
東アジア平和大使プロジェクト
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