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【公開】東アジアの平和-東アジア平和大使プロジェクト談話-

【東アジアの平和】

-東アジア平和大使プロジェクト談話-


いまここに、ないものは、なんだろう。

私たち東アジア平和大使プロジェクトメンバーがこの地域の平和を願う時、

あったらいいな、と思うものは、なんだろう。

 

主語。

政治談話や、国や政治家、日常で交わされる対話の中で語られる、わたし、わたしたち。

もしくは、明確にされない主体たち。

その中にいるのは、人か、背負っている責任か、国か。

あなたは何を中心にして、軸にして、誰のために、話しているのか。

 

共感。

自分がされたくないこと。

痛みを伴う記憶の、真っ向からの否定。

歴史となった出来事や、語られる記憶の中に存在する、あいまいなものたち。

あいまいさを弱みにして、他者の痛みへ攻撃をするその行動は、共感力と、想像力の欠如。

大切な友人や家族にしないこと、それは対象が誰になっても、してはいけない。

相手に寄り添うことを大切に。

必ずしも賛成ではなくとも、相手の気持ちと痛みに共感ができるように。

国家も人も、それを持つべきだ。

 

平等性。

多くの時間が戦後80年、流れていった。

それぞれの国に生きる私たちは、異なった歴史に生きてきた。

ここにいる私たちは、全ての歴史や社会を、

選べるわけではなかったけれど。

私たちには、今ここで時間を共にする、平等性がある。

どちらが国として、経済的に、社会的に、文化的に、上なのか、下なのか。

発展具合や社会体制で優劣をつけ、対話の齟齬を生むことは、もうやめよう。

それぞれの国に生きる個々人が、今生きている現在を軸として、お互いの社会を見つめよう。

同じ目線でお互いを見つめなおし、対話を始めよう。

 

お互いが何を考えているのか知ること。

歴史や政治の問題に向き合う、私たち。

違和感への躊躇と、正解がなさそうだから話さないは、もうやめよう。

お互いが見えないもの、ここにないもの。

それを口に出せる時が、戦後から月日が長く経った戦後80年の、今である。

お互いに共感しながら、平等に見るための社会ができたことを、歓迎しよう。

それぞれが持つ答えがきっと、どんな問題にもあるだろう。

お互いの考えの答え合わせは必要ない。

必要なのは、一人ひとりが違う考えを持っていること、

お互いが何を考えているのかを知ることだ。


失っていく事を、受け止めること。

これから流れる時間の中で、第二次世界大戦の当事者と記憶、

記憶しようとする意志や、関連する活動や取り組みを、

私たちは多く失っていくだろう。

全てを保存して、継続して、応援していく事ができないというその事実を、

私たちは一度、受け止めなければいけない。

抗うことができない喪失を受け止め、一人一人が自分の生きる現代で精一杯生きること。

今を精一杯生きる中で、歴史や過去、東アジアの隣人達という存在は、

当たり前に存在している時代となっている。

自分を起点に、幸せで平和な社会を、考えること。

それを私たちは、していきたい。


そして、責任。

私たちは、過去の延長線上にみんな生きている。

生まれる国を選ぶことはできないが、私たちはみな、

どのように自分の生まれた時代を生きるのか、それを選ぶことができる。

80年以上前、この国と、この地域で、起こったこと。

それを忘れずに、共に東アジアの人々と生きたいと思うとき。

私たちはどんな選択が、いま、できるだろう。

発展や平和を享受する、私たちの世代は、どんな選択をすべきだろう。

どんな責任があるんだろう。

少なくとも、考え続けよう、問い続けよう。

行きつく責任は、一人ひとり違うかもしれない。

それでも私たちは、考え、問い続ける。その責任は、誰もが持っている。

私たちの未来の世代と社会が、歴史を繰り返してしまわないように。

みんなが、平和な社会に、住めるように。


最後に、私たちから今一度伝え、問いかけたい。

いまここに、ないものは、なんだろう。

私たちが、いま、見えていないものはなんだろう。

ここにあったらいいなと思うものは、なんだろう。

主語、共感、平等性、責任。

お互いが何を考えているのか知ろう。

失われていく過去を、受け止めよう。

考え、問い続けよう。

 

戦後80年のこの年に集まった、平和を願う声と、私たちの活動。

そこから紡ぎだされたこの談話。

私たちの願いは、これを届けることで、

あなたがあなたの「声」と「平和」。

そして、「行動」を見つけてくれること。


東アジアに生きる一人一人が、

平和を築くという強固な意志を、持てますように。

 

2025年8月1日

東アジア平和大使プロジェクトメンバー一同




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