Wake Up Japanでは、2月8日(土)から11日(火)の日程で韓国市民社会フィールドワークを実施しました。
フィールドワークでの学びや気づきを分かち合う報告会を2月25日にオンラインにて開催しました。
当日はWake Up Japanのメンバーを中心に関心のある人々に集まっていただきまして、フィールドワークメンバーの鈴木洋一が報告を行い、アフリカ支援、フェアトレード運動、大統領弾劾をめぐる市民性などを軸に分かち合いを行いました。

Wake Up Japanでは、2月8日(土)から11日(火)の日程で韓国市民社会フィールドワークを実施しました。
フィールドワークでの学びや気づきを分かち合う報告会を2月25日にオンラインにて開催しました。
当日はWake Up Japanのメンバーを中心に関心のある人々に集まっていただきまして、フィールドワークメンバーの鈴木洋一が報告を行い、アフリカ支援、フェアトレード運動、大統領弾劾をめぐる市民性などを軸に分かち合いを行いました。
更新日:2月25日
2月8日(土)から11日(祝)までの間で韓国市民社会フィールドワークを実施しました。今回のフィールドワークでは、「歴史問題」「アフリカ支援」「市民社会」「フェアトレード」を軸にソウルで活動する団体や史跡を回りました。
2月8日は移動日でしたので、実質的には9日からの3日間での実施となりました。
2月9日
・独立門・西大門刑務所跡見学
・明洞・南大門市場視察
2月10日
・フェアトレードセンター韓国訪問
・アムネスティ韓国訪問
・African Insight訪問
・漢江鎮駅周辺視察
・梨泰院視察
・「美しい店」訪問
2月11日
・戦争と女性の人権博物館見学
【参加者感想1】
今回の訪問を通じて、韓国のローカルNGOであるAfrica Insightが目指す取り組みと、それに伴う現状の課題について深く理解することができました。同じ東アジア地域に位置する私たちとして、今後何らかの形で連携を図れればと感じています。
Africa Insightの活動は、地域社会に大きなインパクトを与えており、その影響力の大きさを実感しました。特に、地域に根ざしたアフリカ文化への理解を促進するためのイベント開催が注目を集めており、その活動がアドボカシー(政策提言)へと繋がっている点は非常に効果的な戦略だと感じました。このような文化的理解と政策提言の連携は、他地域でも参考になるモデルなのではと感じました。
また、オフィスでお会いしたスタッフの皆さんは非常に魅力的で、熱意と専門性を兼ね備えた方々でした。彼らの姿勢からは、グローバル社会への連帯意識が強く伝わってきました。
今回の訪問を通じて得た知見を活かし、私たち自身も地域社会や国際社会においてどのような役割を果たせるか改めて考える機会となりました。今後もこのような活動への理解を深めるとともに、可能であれば協力関係を築いていきたいと思います。
【参加者感想2】
韓国への訪問は数回目ですが、新型コロナウイルスの感染拡大以降ははじめての滞在となりました。
ここ数年での物価の高騰にはとても驚きました。
また、大統領官邸近くの漢江鎮駅では、時間帯の関係で両陣営の抗議活動を見ることはできませんでしたが、警戒に当たっている公安関係者を多く見かけました。また、韓国市民の友人たちとの意見交換で政治や社会への関心や意識の高さを感じました。
フェアトレードや人権教育など、様々な学びがありましたので、Wake Up Japanでの活動にも生かしていきたいと考えています。
Wake Up Japanでは、社会変革の事例を学び、日本での活動をよりよくするために現地調査訪問事業を行っています。この度、京都府宇治市にあるウトロ平和祈念館を訪問し、同地における在日コリアンの方々の共生と人生の歩み、運動について学ぶ機会を持ちました。
京都府宇治市にあるウトロ地区は、1940年から日本政府が推進した「飛行場建設」に集められた朝鮮半島ルーツの労働者たちの飯場跡に形成された集落です。当時在日コリアンの人たちは徴用や貧困から逃れるために飛行場建設の過酷な労働に従事し、やがて日本の敗戦により工事が中断されると、放置されました。
日本の敗戦後、多くの労働者は帰国を希望しましたが、日本の植民地支配によって故郷での生活基盤が破壊され、また朝鮮半島も政情が混乱していることや日本政府による財産の持ち出し制限などが要因となり、日本にとどまる人々もいました。こうした人々によって集落として形成されたのがウトロ地区です。
在日コリアンの人々の暮らしや土地をめぐる運動の歴史を語り継ぐためにできたのが、「ウトロ平和祈念館」です。
今回、Wake Up Japanのメンバーとアメリカでヒスパニック系の住民の権利運動にかかわる友人、京都出身の学生の3名で平和祈念館を訪問しました。
ウトロ平和祈念館のスタッフの方に丁寧にウトロの在日コリアンの方々の歴史、歩みの中での一人ひとりの物語についてお話を伺いました。
特に、ウトロ地区は、大雨や台風がくれば水はけが悪く、浸水するなど過酷な状況であり、また上下水道の行政サービスも長らく受けることができなかったことなどを知り、大変驚きました。
こうした中で、住民の人々が土地で生きることを訴えたこと、そうした声に日本国内や韓国、そのほか世界各地から支援の表明や応援が届いたことも紹介されました。
住民の方が韓国のバラエティ番組に出演をすると、その人柄から多くの人々が支援に名乗りをあげたこともお聞きしました。
中には、2014年に多くの高校生を乗せて転覆、沈没したセウォル号事件の生存者の若者たちが訪れ、ウトロの人々に対して、「連帯」を表明する似顔絵を描いていった話なども伺いました。
ウトロの住民たちの運動は裁判では残念ながら聞き入れてもらうことはかないませんでしたが、国内外からの多くの支援もあり、一部の土地を購入し、住民が住める場所を建設し、また、このウトロ平和祈念館ができました。
ウトロ平和祈念館の展示の中で特に印象に残った住民の方の言葉がありました。
「(裁判に負けたけれども)私はよかったと思う。運動をしなかったら、私は日本人を憎んでいたと思う。運動を通じて、多くの人々が応援をしてくれて、もう私は誰も恨んでいない。」
訪問した際に私たちは歴史の中で過酷な状況に置かれたこうした人々の心が運動を通じて癒されていくことに心が揺さぶられました。
ウトロの人々の思いや歩みについて、より多くの人に知ってもらいたいと思いました。
また、スタッフの方に屋上も案内をいただきました。
屋上では、ソーラー発電がされていました。
在日コリアンの方々の共生について取り組んでいる施設が、気候変動に向けた取り組みの担い手としても行動をされている姿に分野を超えたよりよい未来を作っていこうとする心意気を感じました。
今回の現地調査訪問を通じて、Wake Up Japanでは、引き続き、国内外で社会を変えたいと願い、行動する人々の歩みを学び、よりよい社会を導く方法について考える活動を続けていきたいと思いました。